第二章「大好きっ!」

 1月31日の0時00分犬との初年越しだった。
犬は年越しなんて関係の無い顔をしていた。「ボヤーン」と。
年越しの日はまだ1月なのでとても寒い。
犬も震えている。ストーブの前で、ジーと「ゴロゴロ」している。
目は半空きで欠伸をして、ダラーんとなりながら。
それが可愛かったのだ。
 
 最初は「不細工な犬だ」と思ってたけど、
なれると可愛いもんだ。愛嬌があってとてもなつく。
お風呂に行くときもついてきて入っている間は前で待っていて
おトイレも行くときについてきて前で座っている。
本当におかしな子だ。でも可愛くてお人形さんみたいで、
大好きだった・・・。

 その犬は食い意地が張ってて、食べ物のほうに行ってしまう。
夜は特別にパンを少しだけ千切って食べさしてあげた。
犬にとっては今までのドックフードの味と違って又違う味だった。
もっと頂戴もっと頂戴と言うばかりに前にお座りをして尻尾を振って
「ジー」っと私のことを見る。でもあげたいことはあげたいけれど
あまり犬に人間の食べ物を与えてはいけない。
だから「又明日ね!」といってしまうのだ。
犬は残念そうな顔をしてこっちを見る。
その代わりというばかりに飛びついてきて「遊ぼう遊ぼう!!」って言ってるみたいだった。
しょうがないから命いっぱい遊んでやった。尻尾を思いっきり振って。
とても楽しそうだった。

 皆さんは犬の世界に行ってみたいと思った事はありますか?
私はあります。でも犬も可愛そうだと思う。首輪や縄でしめられていて。
人間みたいに自由じゃないし・・・。

 又二回目の夏がやってきた。またもや「ゼーゼー、ガーガー」言っている
少し心配だった。でもお母さんは「そんなのただ暑くてしんどがってるだけでしょう?」って言って見逃した。
夏になると、散歩中に少し休憩かどうかはわからないけれど
道の隅っこで休憩するのだ。「ゼーゼー」言っている。
しんどそうだった。

 そして夏が過ぎ秋が来て冬になった。
又冬は寒くて。犬も凍えていた。
やっぱり冬は絵の中で居たいらしく、入ってくる。
犬の寝場所は玄関の近くである。
そこも寒いけれど、毛布をひいて結構贅沢な犬だった。
散歩も雨の中風の中ひたすら散歩しつずけた。
「犬のためなら何でもやってやる」と思った。
だって私の可愛い可愛いペットいや、家族だもん!
だから、大好きっ!!!

 又年越しがやってきて、犬と居るのがもう二年たった。早かったなぁ・・・。


       第三章「さようなら」に続く。



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